離職率の高さも大きな問題点

介護の現場では、人材不足が深刻になりつつあります。このままのスピードで高齢化が進むと、そのうち満足な介護サービスを維持できなくなる恐れもあるのです。

若者の数が減って高齢者の数が増えているので致し方ない部分もあるのですが、離職率を低く抑えればまだまだ日本の介護業界は支えていけると見込まれています。とにかく若い人が入ってきてもすぐに辞めてしまうのが問題で、そのことが人材不足を呼び起こしているわけです。決して日本に働ける人たちがいないというわけではありません。

ニートや引きこもりの問題もあるように、仕事をしていない若者の数も多くなっています。介護職に正当な報酬を出せば、それだけで状況は大きく改善する可能性が高いわけです。現在は、国家資格を取得してプロの介護士になったとしても、そう大きな報酬を得ることはできません。一般のサラリーマンのおよそ半分程度の収入にしかならないので、人がどんどんと他の業界に流れ出てしまうわけです。

一般のサラリーマンと同等か、それ以上の報酬が得られるようになれば、自然と人も集まって来て、人手不足の問題はなくなるはずです。ただ、お年寄りから高いお金を取ることは基本できません。ですから、税金で不足分を補填する案が、国会では議論されています。

しかしそのためには消費税のさらなるアップが必要になるなど、実現までには大きなハードルがいくつもあるのが現状ですが、介護職の報酬をアップさせるという処遇改善の動きが進んでおり、期待が高まっています。